HOUSE

INVISIBLE LINE

コンセプト

― 見えない線との静かな闘い ―

閑静な住宅街。落ち着いた街並み。
誰もが憧れる「第一種低層住居専用地域」。
けれど、建築士にとっては、それが試練の始まりでもあります。

厳しい建蔽率と容積率。
四方から迫る斜線制限、7m軒高制限。
目には見えない「線」と「数値」が、この土地に建つ建築のかたちを左右します。

そうした見えない規制との対話から生まれました。
敷地条件のなかで可能な限りの空間ボリュームを引き出し、
同時に、住まいとしての快適性と機能性、そして美しさを追求しています。

外観は周囲に配慮した閉じた構えとしながらも、
内部には自然光を巧みに導き入れ、
テラスや吹抜け、そして天井高の工夫によって、圧迫感のない開放的な空間を実現しました。

また、家事動線は日々の使い勝手を念頭に、極めてコンパクトに設計。
収納や水まわりの配置にも細やかな配慮を重ねています。

この住まいは、法規制という「見えない線」を巧みに読み解きながら、
快適さと美しさを丁寧に折り重ねていくプロセスの中で生まれた、
静かで力強い、都市型住宅の一つの解答です。

建物概要

主要用途専用住宅
所在地:大阪府豊中市
敷地面積89.22㎡
延床面積94.50㎡
構造・規模木造地上2階建
施工株式会社 ケイアイエス
設計期間2024.2~2024.10
施工期間2024.11~2025.05
写真撮影スターリン エルメンドルフ
2025-07-29 | Posted in HOUSE, WORKS