向き合う

現在設計中のオーベルジュのスイートルーム。
今日は、オーナー主人と三宮で打合せを兼ねて呑み。
のつもりが、開口一番今日は打合せやめときましょかとなる。
冷えたビールを前に仕事の話は野暮ってものか？
結局あれやこれやと全く設計には関係ない四方山話が話題となる。
夕刻のまだ明るい時間から終電ギリギリまで呑み、しゃべった。
各々の夢と野望。聞くのも話すのも楽しい。
このオーナー主人とのお付き合いが始まって約10年が経つ。
ココまでじっくりとお話できたのは初めてかもしれない。

一つのプロジェクトに要する時間は、お話をいただいて大体1年から1年半費やす。
その間にお互いの人となりが見えてくる。
それぞれ千差万別の考え方が個性となって建物に現れてくる。
そして全くオリジナルの建物が出来上がる。
そのために真っ向から向き合う姿勢で臨まないといけない。

実は、今回のスイートルームのテーマが[向き合う]である。
ゲストが、日常を離れた場所でゆったりとした時間の中でお互い向き合う。
若しくは、自分と向き合う時間があるかもしれない。
その場を如何に快適に、落ち着いた、それでいて日常からが逸脱した空間を創り上げるかが、我々の指名なのである。
完成は来年の3月。
絶賛設計中也
(さ)