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見積調整

1月末に工務店さん2社による見積書が当社に届く。
その後、内容をじっくりと査定し、同時に減額案のリストも作成。
それらを持って、本日は施主夫妻と見積調整の打合せを行った。
施主殿の協力も得て、多方面でかなり絞り込んだ設計をしても、
なかなか悩ましい金額になっている。
来年度の消費税3%UP。材料の高騰。防火地域内での外壁仕様の制約などなど・・・。
その他にも、理由は多々あれどもう一分張りを余儀なくされそう。
夢があって楽しい家作り。
とは言え、今が一番お互いに苦しい時期。
コツコツと積み上げてきたことが崩されて行くようで正直ツライ。
でもでも、これまで毎回毎回この時期を皆で乗り越えていっている。
それから、竣工したときには減額内容はお互いにすっかり忘れてしまっている。
もう少し!もう少しの辛抱だ。
(さ)
 

2014-02-01 | Posted in OLD BLOG

コメント3件

 木の字 | 2014.02.04 7:54

いつも楽しく拝見しています。失礼かもしれませんが、率直にお伺いします。設計段階で、ある程度の費用感は想定できないものなのでしょうか?できると思ってお願いして、後であれもこれもできないとなるのはお客様としては非常に辛いと思いますので。

 hajime & sakiko | 2014.02.04 23:21

木の字様
コメントありがとうございます。
予算をお聞きしたらある程度の目途はつけますし、予算が限られている場合は割安の材料を使ったり、可能な限り予算に近づけるよう努力はしているんですよ。
減額調整が必要になったとしても、調整額が少ないに越したことはありませんが、予算ピッタリというのは難しいものです。
減額調整とはクライアントはもちろんのこと、我々も非常に辛い作業なんです。
それでも、毎回毎回この道を歩んでしまうのはなぜでしょうか。
これには理由があります。
じつは、まったくのデメリットばかりというわけでもないのです。
住宅とは、クライアントの「希望」の集積だと思っています。
クライアントの心の中には、それはもうたくさんの大小さまざまな希望が詰まっています。
設計という作業は、それらの中から、「本当に必要なもの」を見つけていく作業だと思っています。
そのためには、まず、クライアントにありとあらゆる希望をすべて吐き出してもらわなくてはなりません。
自分では取るに足りないようなことが、クライアントにとって、実はなくてはならない重要な「希望」だったりするかもしれません。
それなのに、こちらが「いやあ予算がないので無理です」と言ってしまうと、クライアントは萎縮して言いたい事が言えなくなってしまいます。
傍から観ていると、とても回りくどいことを我々はしているのかもしれませんが、ありとあらゆる希望を挙げていただいて、それを設計に盛り込み、工務店に見積を依頼し、工事費が出てきた段階で、最後に「減額調整」というフィルターをかけます。そうすると、不思議なもので「本当に必要な物」が見えてきます。
「減額調整」の期間こそが、クライアントが自分達の家について本当に真剣に考える期間だからなのだと思います。
何となく必要と思っていた事が、突き詰めて考えると不要だとに気付き、ひとつひとつ、無駄がそぎ落ちていきます。
こう考えると見積調整(減額調整)とは、とても神聖な儀式かもしれません。
そして、この時期を乗り越えると身の丈に合ったとても清々しい家となるのです。
今回、減額調整についてかなり整理することができました。

 木の字 | 2014.02.05 21:08

とても丁寧な回答ありがとうございます。
確かに、もの造りでは優先順位や必要なものを見極めることは大切ですよね。私も設計屋ですが、「有った方が良いは、無くても良い」という言葉を良く口にします。
今回はブログの内容を見ていて、施主殿の希望(本当に必要なもの)が無くなってしまうのではないかと、勝手に心配してしまいましたが、勘違いだったみたいですね。

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