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ヘルシンキ郊外教会巡回

この日が、アタシにとって一番の建築探訪的に充実した日となる。
廻った建築の数が半端なくすごかったのだけれど、
ほぼ教会建築を巡ったことで、どこか神秘的であったことも手伝ったと思う。
6時起床。今日もお手製サンドウィッチとカフェオレ。
その間、ハジメ氏は今日の予習に余念が無い。
9時にアパートを出る。(既にホテルという感覚が全く無くなっている。)
まずは、ユハ・レイヴィスカのミュールマキ教会。
ヘルシンキ中央駅から北へ伸びるMライン電車で約15分。
Louhela(ロウヘラ)駅で下車。で、目の前。
そう。この教会は駅前に建っているのである。
コンペで審査員全員一致の意見で1等を獲得したユハ。
西は高架線路。東側はロウヘラ通りに面し、かなり細長い敷地である。
難しいロケーションを見事に逆手に取ったプラン。(前情報)
あー中が観たいの一心で受付へ。
閉まっていた。
あー閉まっていたのである。
到着10時。開館11時。
1時間のタイムロスはこの後のスケジュールを考えると痛い。
とにかく分かりやすい交通ということで別日に出直すことに決める。
気を取り直し、2つ目のユハ作品であるグッドシェパード教会へ。
ロウヘラ教会から2駅中央駅側にバックし、バスに乗る。
実は、ほっとんど場所の情報がなく、とにかく住所だけで地図を広げてバス路線図と格闘。
フィンランドは車が少ない。自転車も少ない。
バスが組まなく走っているためかと実感。
日本と違ってバス走行道が確保されているためほとんど渋滞が無いため時間も正確。
ただ、あまりの細やかさにバス停に名前が無く路線図を見てもさっぱり。
あとは(さ)の体内GPSにたよるしかない。(・・・。はいはい。)
でもご心配なく。地図をちょっと広げただけでフィンランド人さんが声をかけて下さるのである。
この日は犬を連れた金髪女性が声をかけてくれた。
金髪女性:「どこへ行きたいの?」(英語)
(さ):「セントジェームス教会に行きたいんです。」(英語)
(は):「アホ。グッドシェパード教会や。」(日本語でアタシに)
※どうもこのグッドシェパードという名前が最後まで覚えられなかった。
(は):「どこで降りたらよいのでしょう?」(英語)
金髪女性:「グッドシェパード・・・。うーん。知らないわねー。(地図を見てくれる)でも大丈夫。だいたいこの辺ってところで教えてあげるわ」(英語)
(は)(さ):「Kitos!」(なぜか最後はフィンランド語)
自動車専用道路のガソリンスタンド以外にまるで何も無いところで下車。そこからポツポツとある住宅街を抜け林を抜けて祝到着。

外壁はレンガ積みだが、幾重にも重なった外壁の層がいかにもユハらしい外観。まちがいない。
閉まっているかのような閑散としている内部へ入る。
受付の紳士に中を見せていただくことと、写真撮影の了解を得てからまずは礼拝堂へ。
入るや否や照明をつけてくださる。

ああ。なんて美しい!
絶妙なペンダントライトの光の数々が、白い空間を更にやさしい白に変えていくようだった。
そこへ賛美歌もBGMで流してくださった。
思わず(さ)は涙がポロポロ出てきた。
母がクリスチャンだったから。
良い教会だった。素直に。素材的にはいわゆる木にペンキ塗り。ひじょうにローコストな作りであったと思う。
ただ、とてもやさしい教会だった。
後ろ髪引かれながら次の教会へ。
マルミ教会。(設計:クリスティアン・グリクセン)
こちらもほとんど行き方の情報が無かったが、なんとか電車とバスを乗り継ぎ到着。

内外装ともレンガ造りの重厚な建物。
中庭からのアプローチが厳かで良い。
重々しい内部空間に一方から光が差し込み幻想的である。

教会建築には自然光の使い方と、象徴的なペンダントライトが欠かせないようだ。
各々の教会では、建築家オリジナルの照明器具が目立つ。
それぞれの内部空間に効果的に溶け込んでいる。

教会に限らず、フィンランドの建物にはこういった風所室が必ずあった。我々の泊まっていたアパートの窓、玄関ドアもダブル。
冬の寒さが尋常じゃないことが見て分かる。
次はヴィーキ教会。(設計:JKMMアーキテクツ)

環境共生を目指す学園都市ヴィーキにある教会である。
現に教会の廻りもビオトープで囲まれていた。その周囲を高層マンションが囲んでいた。
竣工が2005年。比較的新しい教会である。
こちらもバスを乗り継ぐ。ここまで来るともうすっかりバス乗り上級者である。
外観はグレイッシュで閉鎖的。
内部は反して木を多用に使用し、整然と並ぶ木組みの天井が美しかった。

そして、ラーヤサロ教会(設計カリ・ヤルヴィネン)が最後となる。
こちらも当然のようにバスで・・・。

最後にして、実はこの日2回目の閉館。恐らく時間的にタイムアップ。
ただ、他の教会に比べ外観が複雑な構成をしていて興味深かった。
緑青加工の鉄板、一部木部があったり。内部は残念ながら見れなかったがくまなく建物周囲を巡る
とにかく、バスでヘルシンキ郊外をひた走った日だった。

  バスを待つ図
バス道を地図と路線図で確認しながらだったので、
バスに乗り込むと迷わず一番前を陣取った我々。
車中からの眺めは本当に美しかった。
白樺と芝生と湖。これぞフィンランドの旅を通してのイメージであった。
今日は、いささかお疲れの二人。
なので、自炊はやめて外に食べに行くことにする。
アパート近くの[Konstan Molja](コンスタン・ミョーラ)に出向く。
ほとんどのガイドブックに掲載されててさほど値段も高くなく、
フィンランドの伝統的な料理がビュッフェ形式で食べれる。

とりあえずビールを頼み、お腹一杯食べた。満足。
ちなみに今日のランチはフィンランドのハンバーガーチェーンの「Hesburger(ヘスバーガー)」で

けっこうおいしかった。
(さ)

2010-09-18 | Posted in OLD BLOG